研究課題/領域番号 |
20253005
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岩坂 泰信 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任教授 (20022709)
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研究分担者 |
張 代洲 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90322726)
小林 史尚 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60293370)
牧 輝弥 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (70345601)
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10359713)
洪 天祥 金沢大学, 薬学系, 研究員 (90464049)
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キーワード | 黄砂バイオエアロゾル / 黄砂発生源地 / 気球観測・航空機観測 / 立山山頂積雪 / 微生物多様性 / 混合状態 / 砂漠大気 |
研究概要 |
近年、黄砂粒子と粒子に付着している微生物について社会的にも学術的にも強い関心が寄せられるようになっている。本研究では、既に中国甘粛省敦煌市(タクラマカン砂漠の東縁)の気象局キャンパス内に設置済みの観測サイト(中国科学院大気物理研究所と共同で維持管理)を利用し、砂漠上空に浮遊する黄砂粒子とバイオエアロゾル(ここでは細菌など中心)の混合状態とその高度変化を気球観測で明らかにする。気球での試料採集は地表付近から高度約10kmの領域で行い、砂塵と微生物の混合状態、微生物同定を試みる。21年度に引き続き中国での観測を企図したが、中国政府が「気象法の厳格運用」の姿勢を打ち出し、地方の気象官署も中央に倣い気象業務を見直したことから、気象情報を取ることがきわめて困難になった。22年度も基本的な状況は変わらず、これまでの観測結果の取りまとめおよび日本側での野外調査(能登半島、立山頂上付近の積雪、能登半島上空の航空機観測)を実施した。 また、今後の黄砂や黄砂に付着している微生物などの研究に関する展望を整理するため、中国側研究者と北京にてワークショップを持ち、改めて黄砂・バイオエアロゾル粒子の気候や環境への影響に関する学術研究の重要性や北東アジアの研究戦略上の重要性を確認した。今年度の特筆するべき成果として以下を挙げることが出来る、 1. 日本海洋上における塩酸による黄砂表面状態の大幅な変質が生じることがあることをつきとめた。 2. 立山頂上付近の積雪を利用した黄砂・バイオエアロゾルの採集から、頂上付近の微生物多様性の状態がタクラマカン砂漠上空での状態ときわめて類似していることがわかった。
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