研究概要 |
本研究では高解像度衛星データを活用して森林植生の動態を把握するために,現地調査と同等のグランドトルースの確立を目的として,東アジア地域で詳細な現地植生調査を行う。本年度は,1.植生グランドトルースの確立,2.東アジアの植生現地調査を行った。 (1)東京大学北海道演習林におけるカラマツハラアカハバチによるカラセツ類の食害について,落下物林床トラップによる糞採取調査および土壌中の蛹採取調査を継続的に行った。同時に,魚眼ステレオカメラによる全天撮影実験を複数地点の林床で実施し,個々の樹高計測を行った。取得した画像から個々の樹木の抽出と対応付けを行う3次元画像計測手法を開発中であり,解析結果はグランドトルースとして活用する。来年度も継続的に食害の現地調査および樹木の撮影実験を実施し,対象地域の高解像度衛星データを取得して地上データと比較検討する予定である。 (2)台湾大学演習林および東京大学演習林の研究者を招聘して,森林植生に関する国際シンポジウムを開催した。台湾および日本の森林おける最新研究成果に関して情報交換し,今後の衛星データの活用方法および国際交流に関して意見交換した。来年度は台湾において国際シンポジウムを開催する予定である。 (3)ロシア沿海州のシホテアリニ山脈周辺で拡大しているナラ衰退現象の現地調査をロシアの研究者とともに実施した。来年度も継続して調査を実施し,衛星データを活用し準状況分析を行う予定である。
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