研究概要 |
20年度には,以下に示す項目の検討を行なった. 1.損傷状況調査 50橋梁区間について,津波前後の衛星写真などにより,現地で発生した構造物の部位ごとの損傷度を明らかにした.具体的には,区間内の構造種類(コンクリート桁,鋼桁,橋脚,橋台,土工部)ごとに,損傷状況をランク別(A,B,C)に分類した.ついで,周辺の波跡,現地住民からのヒヤリングを基に,現地で発生した津波高を推定し,損傷度と津波高さの関係を明らかにした.一方,現地から得られた構造諸元を用いて,構造物の抵抗力と作用力の関係を求め,損傷度との関係を評価した.また,合計50工区に対して,被害マップを作り,津波高さと発生した損傷状況の関係を明らかにした. 2.津波被害分析 各損傷形態を代表する3橋梁を対象に,詳細な分析を行った.まず,構造物の周辺の津波痕跡高さより,当該地点の津波高さの推定を行なった.ついで,高性能測距機を用いて100x100mメッシュごとに現地周辺の地形高さおよび小型船舶を用いて水深測量を行なった.これらの地形データを基に,断層モデルを用いた津波遡上解析により,当該地点の津波高さ,流速の推定を行った.これらの地形データを基に,断層モデルを用いた津波遡上解析により,当該地点の津波高さ,流速の推定を行い,測定値と比較し,その妥当性を評価した.
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