研究概要 |
1.構造部物の被害状況調査 まず,スマトラ沖地震にともなう被害のとりまとめを実施した.ついで,巨大地震により被害が発生した東北大震災の被害状況を同様の手法で評価した.その結果,橋梁被害は,300以上に及ぶこと,被害内容は桁の移動による流失と橋台背面土の洗掘の二つに大きく大別されることが明らかとなった.これは,スマトラ沖地震による被害橋梁の状況(73橋梁流失,主として桁流失と橋台背面土洗掘による損傷)とほぼ一致していることが明らかになった. 2.津波被害分析 実験により得られた水平作用力および上揚力算定式を用いて,予想される南海東南海地震による実構造物の被害度の推定を実施した.また,提案式を用いて,上記の東北地震の橋梁被害との対比を実施した.その結果,作用力水平抵抗力比と被害度には極めて高い相関が得られた.一方,上揚力と被害度の相関性はあまり高くない結果となっている.以上により,上揚力については,さらに形状などの影響をされに検討する必要があることが明らかになった. 3.成果報告書の作成 過年度実施された1)構造物の被害状況調査,2)津波被害分析,3)設計手法の提案の各項目について,過去4年間の成果についてのとりまとめを行い,成果報告書の作成を行った。
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