研究課題/領域番号 |
20255001
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
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研究分担者 |
坪 充 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (30432602)
伊藤 健彦 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教 (50403374)
木村 玲二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80315457)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | 干ばつ / 気候変動 / 草原生態系 / 乾燥地 / ユーラシア |
研究概要 |
気候変動に関する政府間パネル第4次報告書によると、世界の陸地の約4割を占める乾燥地では、今後、干ばつが増加し、すでに困難に直面しているその水資源、農業生産、生態系が悪影響をこうむる可能性が高い。本研究では、ユーラシア草原において干ばつという外的強制力を受けて、乾燥状態が「土壌水分→植生→動物」と進んでゆく干ばつメモリの動態を解明し、干ばつという撹乱に対する生態系の感受性・復元力という視点からその持続性を評価することを目的とする。 モンゴル草原に位置するバヤンオンジュルにおいて、2005年夏に行った降雨遮断屋根を取り付けた人工干ばつ実験後の変化を2012年まで継続観測した。干ばつ実験翌年の地上部バイオマスの急速な回復後、耐乾性が小さいイネ科草本の回復は、干ばつ実験以前(2004年)のレベルにまで降水量が回復した2008-2010年の3年目にみられた。 カザフスタン-モンゴルの草原において地表面動態観測を継続した。モンゴルでは、ARGOS衛星によるデータ転送を開始し、準リアルタイムモニタリングでデータ解析を進めた。その結果、カザフスタンからモンゴルでは秋から冬にかけて周期的な寒気移流と、その前後に通過する低気圧に伴う降雪イベントで地表が寒冷化し、気候メモリに繋がる土壌凍結の強さに影響を与えることが明らかとなった。また、モンゴルでは、2012年夏季は湿潤な年であり、土壌水分のメモリ効果が翌年の植物生長に継続される可能性が示された。 モンゴル草原における気象条件の年変動は、野生動物モウコガゼルの食物である植生量に空間的・時間的に影響を及ぼし、それに対応してガゼルは利用場所を年により大きく変えること示した。また、ガゼルは鉄道や国境付近を冬に利用することが多かったが、それらを越なかったことから、気象・植生条件が厳しい時期に人工構造物による障害効果が大きいことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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