研究課題
調査対象国で、巡回聞取り・観察調査によるマカクの分布・生息実態データとサンプルの収集を行った。中国広西壮族自治区では和田一雄(研究協力者)がマカクの分布と生息状況を調査し、アカゲザルとアッサムモンキーの同所性分布などを見出した。ベトナムでは、コンソン諸島でのカニクイザル(Macaca fascicularis condolensis)と、中央高原地域での調査を行った。カンボジアでは大井徹(研究協力者)との共同研究で、マカクの分布と生息実態の概要調査を、東北地方(ラッタナキリ県)・南西地方(カルダモン山地など)、および中部(シェムリアップ県)で行った。ラオスではヴィエンチャン県と南部のサバンナケット県以南でマカクの分布と生息実態の調査を行い、マカクの生態学的棲み分け(アッサムモンキー、ブタオザル、ベニガオザル、アカゲザルの間)、および分布境界(アカゲザルとカニクイザル)についての情報を収集した。タイでは東部と南部でのマカクの分布と生息実態の調査を行い、ベニガオザルとアッサムモンキーの生態・社会行動の比較調査を行った。ミャンマーでは、ヤカイン地方でブタオザルとカニクイザルが海岸部で卓越し、山地部ではベニガオザル、アカゲザルとアッサムモンキーを確認し、カイン・モン・タニンサリー南半の地域ではアッサムモンキーとアカゲザルは確認しなかった。バングラデシュではマカクの分布状態をほぼ確定した。以前、東南地域のいくつかのマングローブ林に集団がいたカニクイザルは、現在、東南端のテクナフ河流域のマングローブ林に一群だけが確認されている。国の東部地域でアカゲザルとブタオザルが卓越し、アッサムモンキーとベニガオザルは一部森林に限定されている。インドでは南部のバンディプール国立公園でボンネットモンキーを観察した。以上の国々で得られたDNA資料を分析し、予備的に系統解析を行った。
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