研究課題
基盤研究(A)
アジアのマカク属は現在4種群、19種を数えるほどに多様化している。その要因として、アジアの地形と気候・環境変動、および各種群で異なった生態学的適応をはかったことを挙げることができる。マカク進化の中心地のひとつは、アジア大陸部のインド東北地方からインドシナ半島にかけての地域にあり、キタブタオザル、アカゲザル、カニクイザル、アッサムモンキー・ベニガオザルが分布している。この地域は北部にヒマラヤからの山地帯があり、そこから南に張り出すいくつかの山地系とその間の低地乾燥地域によって構成され、そこに気候環境変動が重なって、マカク祖先集団は分散とレフュジアへ逼塞を繰り返したと考えられる。このような生息地の変遷に伴って地域間変異が選別・拡大、あるいは交雑が進み、地理的変異や種の形成があったと推測される。マカク種の間に生態学的競合とそれを回避するメカニズムも働いている(形質転換などによって)と推測される。対象マカク5種の分布と地域変異性から、移住と多様化の過程を明らかにすることを目的とし、中国南部からネパールまでの10カ国において、各国の大学および環境・生物保護研究調査機関と共同で、広域分布・生息実態調査ならびに形態・遺伝形質における多様性形質資料の収集と解析を行う。
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