研究課題/領域番号 |
20255007
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
|
研究分担者 |
篠田 謙一 国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (30131923)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 准教授 (30128053)
甲元 真之 熊本大学, 永青文庫研究センター, 所長 (70072717)
宮本 一夫 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (60174207)
|
キーワード | 日本人の起源 / 人類学 / 考古学 / 古人骨 / 交流 / 渡来系弥生人 / DNA分析 / 年代測定 |
研究概要 |
日本人の起源問題に関して重要懸案となっている渡来系弥生人、及び縄文人の源郷問題を解決するため、以下の大陸各地や日本において現地調査、分析を実施してデータの収集を行った。またその成果の一部を学会誌に発表した。 1. 昨年に引き続き水稲文化の日本への渡来経路として注目されている中国・山東半島南部の新石器時代(大文口文化期)人骨の調査を9月に実施し、計測値などのデータ収集を行った(平成22年度までの予定)。この中で新たに火葬骨の存在を確認し、この地域、時代の葬法に関する従来知られていなかった新知見を得た。 2. 大陸北方との交流解明に必要な古人骨に関するデータ収集のため、5月にロシア沿海州出土人骨(新石器時代)が収納されているモスクワの民族学・人類学研究所を訪問し、データ採取を行った。また、同人骨について、DNA,年代、および食性分析を実施した。 3. 大陸北方における古人骨資料の空白地の一つとなっているモンゴル東部のヘンティ県ダーラムウウルにて青銅器時代板石墓2基の発掘調査を行い、副葬の動物骨を得たが、人骨発見には至らなかった。ほかにも保存良好な墓が発見されているので、引き続き、23年度まで調査の予定。 4. 南方ルート解明に必須の先島諸島の先史人骨発見を目的として、11月に宮古島の浦底遺跡で発掘調査を実施した(埋葬遺構は未発見)。H22年3月に波照間島、西表島の遺跡探索調査を実施し、先史人骨の発見に有望な波照間島の調査を22年度に実施する予定となった。また、石垣島空港建設現場で更新世の地層から人骨が出土し、年代測定を行った結果、2万年前に遡ることが明らかとなった。 5. 縄文人の起源問題解明に有用な縄文早期人骨(愛媛県上黒岩遺跡)の分析を行い、その成果を出版するとともに、愛媛県にて開催された当遺跡に関するシンポジウムにて講演を行った。 6. 8月に台湾大学医学院の原住民資料についてデータ採取を行い、併せて山地居住の原住民集落を訪問し聞き取り調査を実施した。 7. 3月に沖縄県立博物館において、「南西諸島の人類学」をテーマに、台湾大学の蔡錫圭教授らを招いてシンポジウムを開催した。
|