研究課題/領域番号 |
20255009
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浅沼 修一 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 教授 (60159374)
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研究分担者 |
木村 眞人 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20092190)
星野 光雄 名古屋大学, 環境学研究科, 名誉教授 (40023626)
竹谷 裕之 名古屋大学, 生命農学研究科, 名誉教授 (10023491)
佐々木 重洋 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (00293275)
桂田 祐介 名古屋大学, 学生相談総合センター, 研究員 (40456710)
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キーワード | 人間生活環境 / 保全農業 / 地域環境管理 / 地域文化 / ガリー侵食 / ルオ族 |
研究概要 |
ケニア西部ビクトリア湖岸で、土壌侵食(ガリー侵食)が住民の生活を脅かす大きな環境破壊となっている地域を調査対象地とし、農学(土壌肥料、作物、農業経済)、地質学及び文化人類学の専門分野を異にする学際的な研究チームで調査研究を行った。カトクデオの深さ約10m、幅約20mのAwach型ガリー壁面の土壌の土性は土層によって異なるが、粘土16~32%、砂47~67%、シルト10~24%で埴壌土または砂質埴壊土であった。ガリー底に近い土層の土壌はNa含量が高く、陽イオン(Ca+Mg+K+Na)に占めるその割合は20%以上で、侵食に対してもろい性格であることを示唆した。実際に、乾燥状態では固くても水分を与えると崩壊しやすかった。 ガリー侵食を引き起こす営力の大部分は表面流によるものであるため、地形による表面流のパターンを標高データから求めたところ集水域にほぼ一致していた。緩斜面の斜面下部の流水経路を明らかにするため、QuickBird衛星写真から求めた平坦部の土地利用状況を判読したところ、民家の敷地の境界や耕作地の分布のほか、草本類の植生被覆の濃淡が認められた。この地域は家畜を放牧しているため、そのフットパスとの関連をさらに調べたい。 農家に3ヶ月滞在して調査を行った。この地域では国際機関、国立機関やNGOなどによる土壌侵食防止の活動が行われていたが、いずれも農民グループを介して間接的に対処方策を実施しており、その持続性に問題が認められた。また農民グループの援助に対する対応の仕方についてもある程度の理解が得られた。 地域住民の人類学的および社会経済学的調査のためのクエスチョネアを作成し予備調査を行い、次年度予定の詳細調査のための対象農家を選定した。
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