研究課題/領域番号 |
20255011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 昌三 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (50211959)
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研究分担者 |
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (60315596)
箕口 秀夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30291355)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学研究科, 教授 (60228244)
長谷川 尚史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (70263134)
齋藤 智之 独立行政法人森林総合研究所, 木曽試験地, 研究員 (00414483)
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キーワード | Melocanna baccifera / 一斉開花枯死 / DNA分析 / ネズミ / 衛星データ / 広域開花 / 焼畑 / 生態系 |
研究概要 |
本年度は、対象とする竹類の一斉開花枯死後二年目の年にあたり、固定調査地における継続調査と新たに出現した全稈の葉の採取によるDNA解析を通した新たな群落形成に関する分子生態学的解析を行った。固定調査地においては、開花枯死によって生じた親稈の倒伏が顕著であり、これらの枯死個体が次世代の群落回復には想定以上の障害となることが判明しつつある。また、多くの親世代の遺伝子を持つ次世代の個体群が形成するクローンレベルでの初期の推移も明らかになりつつある。 本種の広域的な開花域の解析に関しては、調査対象地であるインドミゾラム州ではほとんどすべての群落が開花枯死に至ったことから、近隣地域及び国に調査域を拡大した。すなわち。本年度はインド北東州のナガランド及びバングラデシュ・チッタゴン地域における開花状況に関する調査を行い、バングラデシュでミゾラム州よりも一年遅れで開花した地域があることを確認した。 焼畑農業の生産量に与える竹類の開花の影響に関しては、開花後二年目の植生回復地における焼畑農業が農業の生産量に与えた影響に関する聞き取り調査を行った。調査結果の解析はまだ行えていないが、大きな収量を得る上で、開花後何年目まで焼畑を目的とした火入れが行われるべきでないか、を示唆するデータが得られた。収量に影響を与えると考えられるネズミの個体群に関しては、明確な情報は得られなかったが、現地においてはネズミ個体群が徐々に減少しつつあることが把握された。 全体として、Melocanna bacciferaの開花が地域に与える影響に関する知見は多く得られたといえる。
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