研究分担者 |
小山 鐵夫 高知県立牧野植物園, 資源植物研究センター, 園長 (00205535)
岡田 稔 高知県立牧野植物園, 資源植物研究センター, 研究部長 (80470293)
川原 信夫 独立行政法人医薬基盤研究所, 薬用植物資源研究センター, センター長 (10224825)
水上 元 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30128219)
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研究概要 |
ソロモン諸島の東端に位置するサンクリストバル島を中心に,スリーシスターズ島とピオ島(無人島),マライタ島における植物インベントリー探索研究):未知の植物が多数生育するソロモン諸島の4つの島で現地調査を行い,トウダイグサ科,ラン科,アカネ科,クワ科などのさく葉標本3,138点とケミカルサンプル96点を作製した.そして,我が国における導入事例が極めて少ないソロモン諸島産のラン科やウラボシ科などの生植物を68点ならびにトウダイグサ科やミカン科などの種子を19点導入し,薬用植物資源研究センター種子島研究部にて栽培育成した. さらに,サンタイザベル島在住の伝統医Custom Doctorに同行し,首都ガダルカナル島の遥か南方に位置(国内航空機で1時間半)する世界遺産に登録された東レンネル島での調査を行った結果、約123種類の有用植物の採集と新情報を入手出来た試料について所属研究機関に持ち帰り整理保管後,薬理評価のための試料提供準備を行った。一方,研究代表者らによってソロモン諸島で収集され、調製された109種類の植物抽出物について、ヒト口腔がん細胞由来KB細胞に対する細胞致死活性をMTT法を用いてスクリーニングした。その結果、クワ科のFicus variegataおよびキョウチクトウ科のCerbera manghasエキスが、IC50(50%細胞増殖阻止濃度)7.0μg/mL、キョウチクトウ科の由来抽出物が1C505.8μg/mLと高い活性を示した。そこで、これら2つの植物資料から細胞致死活性成分の単離・同定を目指して分画を試み、現在までのところ溶媒抽出とHP-20カラムクロマトグラフィーを行うことにより、いずれの植物資料からもIC50<1μg/mLでアドリアマイシンと同程度の活性を示す画分を得ることができた。現時点では、まだ単離には至っていない。
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