研究概要 |
無数のセンサーが生活環境の中に埋め込まれ,ネットワークで相互に通信を行なうユビキタス・ネットワーク環境上で稼働するユビキタス・アプリケーションは,センサーから得られるデータの意味を解釈し,現実世界の人やモノの状況を推定し,状況に応じて柔軟に適切なサービスをタイムリーに提供できなければならない. 従来,独自センサーや特定センサーを対象としたアプリケーションの開発等が個別に多数行なわれてきたが,今後はユビキタス・アプリケーションの開発を容易にし,増加する多種多様なセンサーを有効活用するために,複数のアプリケーションから共通に利用可能なミドルウェアが不可欠となる. そこで本課題は,現実世界におけるセンシング対象の構造や関係を表現するマルチエージェント機構を導入したオープンなミドルウェアを開発する.平成20年度は,次の実施項目を行なった: 1.センシング対象の構造表現とアクセス機構のための,構造エージェント機構の検討とアクセス方式の検討. 2.対象物間の関係表現とアクセス機構のための,関係エージェント機構の検討とアクセス方式の検討,関係変更方式の検討,および試作の着手. 3.アスペクト表現とアクセス機構のための,既存ユビキタス・アプリの機能調査,共通アスペクトの抽出,アスペクトエージェント機構の検討. 4.ミドルウェア統合化とユビキタス・アプリ開発実験のための,既存ユビキタス・アプリの分類と,これに基づく評価シナリオの検討の着手.
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