研究概要 |
無数のセンサーが生活環境の中に埋め込まれ,ネットワークで相互に通信を行なうユビキタス・ネットワーク環境上で稼働するユビキタス・アプリケーションは,センサーから得られるデータの意味を解釈し,現実世界の人やモノの状況を推定し,状況に応じて柔軟に適切なサービスをタイムリーに提供できなければならない. 従来,独自センサーや特定センサーを対象としたアプリケーションの開発等が個別に多数行なわれてきたが,今後はユビキタス・アプリケーションの開発を容易にし,増加する多種多様なセンサーを有効活用するために,複数のアプリケーションから共通に利用可能なミドルウェアが不可欠となる. そこで本課題は,現実世界におけるセンシング対象の構造や関係を表現するマルチエージェント機構を導入したオープンなミドルウェアを開発する.平成21年度は,エージェント空間における次の各機構について,前年度の方式設計に基づいて,主に試作を行なった:1.構造エージェントについて、センシング対象の構造表現とアクセス機構を提供する構造エージェント機構の試作を進めると共に,構造エージェントパターンの設計に着手した;2.関係エージェントについて、センシング対象間の関係とその変化の表現,およびアクセス機構を提供する関係エージェント機構の試作を進めると共に,関係エージェントパターンの設計に着手した;3.アスペクト指向エージェントについて、横断的な情報(アスペクト)収集の抽象化とアクセス機構を提供するアスペクト指向エージェント機構の試作を進めると共に,情報利用ポリシー制御機構,イベント通知小型移動エージェントの検討に着手した.
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