研究概要 |
携帯電話やメディア・プレーヤーなどの高度な電子機器を実現するには,プロセッサ、専用ハードウェア回路(ASIC : Application Specific IC),メモリ(RAM、ROM),高周波回路,センサー,アクチュエータなどを含む複雑な電子システムを単一チップ上に実装するSoC (System on Chip)技術を駆使する必要がある.本研究では,与えられた応用に対して,与えられた設計制約のもとで,マルチプロセッサSoCの構成方法を最適化する手法について検討してきた. 平成23年度は,平成22年までに開発したそれぞれの手法の評価と改良を行った. マルチプロセッサ・システムの低消費電力量化に関して,動作時に動作電圧と動作周波数を変更できるDynamic Voltage and Frequency Scaling (DVFS)技術が有効である.平成22年度までに,DVFS技術をマルチプロセッサに用いる場合に,消費電力量を最小化するような.プロセスのプロセッサへの割り当てとそのプロセスを処理するプロセッサの電圧と周波数を決定する最適化手法を提案している.平成23年度では,提案した手法の有効性を評価するために,ランダムで作成した例題を始め実用的な例題に対して提案手法を適用して性能を評価した. 評価の結果,提案している最適化手法によって得られる最適化結果は,初期パラメータに大きく依存していることがわかった.良質な結果をもたらす初期パラメータを一意に決定することは難しく,設計者に経験に頼る部分がおおきいことがわかった.そこで,平成23年度では,初期パラメータの一部を自動的に決定する,最適化手法についても考案した.
|