研究課題1 ピア数、ピアの挙動、トポロジ、ファイル保持の状況の測定解析 測定ピアをP2Pネットワークに参加させ、P2Pアプリケーションのプロトコルを用いて内部の情報を測定する方式を開発した。課題1-1:5分ですべてのアクティブなWinnyピアにアクセスできるように測定方式を改良した。さらに検索ネットワークのトポロジのスナップショットをMark-Recapture法を用いて定義する手法を開発した(Winny)。課題1-2:ファイル検索ネットワークのスナップショットからピアの参加離脱の特性を解析した。特にファイルを持っているピアと持っていないピア(フリーローダ)の違いに着目し、ファイルを所持するピアがより長くネットワークにとどまることを明らかにした(Winny)。課題1-3. Shareのプロトコルの解析を行い、測定システムを開発した。1日で、延べ30万のユニークなピアの測定が可能となった。 研究課題2 ファイル検索リンクの制御によるトラヒック、流通ファイル制御 制御ピアをP2Pファイル共有ネットワークに参加させ、ピアに対して検索リンクを張ることにより、ファイル流通を制御する方式をコンピュータシミュレーションと実測を用いて評価を行った。課題2-1:制御ピアをWinnyネットワークの上流に位置させ、ファイル検索クエリの制御する方式を開発した。コンピュータシミュレーションを用いて、ファイル検索クエリをほとんどブロックできることを明らかにした。課題2-2:実際のWinnyネットワークに対して、課題2-1で開発した制御方式の有用性を確かめた。制御ピアが、1分あたり、上流の12000ピアに接続することにより、ファイル検索クエリの帰還率を通常の半分にできることを明らかにした。
|