研究概要 |
フィードバックセンシングネットワークを実現するシステム体系において,(b)サービスオプティマイザに関して,センサから得られる時系列データをセグメントに分割し,多段階のクラスタリングにより得られた頻出パターンからなる利用者モデルに基づいて,新規利用者が現れた際に適切なサービスの一環として行動予測を行う方式と(c)の可視化システムとの連携を実現し,リアルタイムに行動予測ができるようになり,様々な応用分野への展開可能性を確認できた。(c)ネットワークオプティマイザに関して,類似した頻出パターンをクラスタリングして得られた利用者モデルをベースに,センシングネットワークの制御を管理する方式を実現した利用者モデルに従って,各機能を適切な状態,必要な情報を提供可能なように制御するために,これまで開発した可視化システムで機能と速度面での実用化を目指した,また,特定の条件もしくは特定のエリアのデバイスのみ制御し,マイニングパターンを利用したシステムの最適化を検討した.(d)動的ネットワーク構成に関しては,前年度にソフトウェア更新手法を調査して課題を整理した内容が選出され書籍に掲載された.(e)ローカライゼーションに関しては,無線マルチホップネットワークにおけるローカライゼーション技術として整理し発表した.(f)センサアプリケーションに関しては,単独の目的のために最適化されたセンサを流用し,より実際的なユビキタス社会を想定した研究を実施した.具体的には,スマートフォン等に標準で搭載されることの多くなった方位センサを用い,ユーザが利用したい情報家電へ携帯端末を向けることで情報家電を選択し接続する技術の研究開発を進め論文誌に採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各サブテーマの検討はおおむね順調に進展しており,査読論文や国際会議発表等で研究成果を社会に還元している.ただし,各サブテーマの基礎検討や実証実験の結果,統合して評価できるような環境構築にはもう少し時間がかかりそうである.そのため,当初研究計画で想定していたH23年度中での各サブテーマの統合・連携による統合評価ならびに連携評価にまでは至っておらず,連携・統合分析という観点ではやや遅れていると考える.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では,H23年度にやや遅れていた連携・統合分析を意識して,各サブテーマの研究成果を統合ならびに連携できる環境の構築を目指す.研究室環境でセンサネットワークを設置し基盤となる環境の構築は終了しているため,一部連携の進んでいる部分の拡張を進めることで研究期間内での統合評価を実施できると考える.特に,構築されたシステムへフィードバックループを適用可能とし,アクティブマイニングを利用することでフィードバックセンシングネットワークの有効性の定量的な評価を進めていく.
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