平成20年度は、当初の研究計画をほぼ順当に遂行し、以下の研究成果をもたらした。一部の研究成果はすでに平成20年度中に国内学会と国際学会での発表を行い、一部の研究成果は平成21年度の国際学会発表、ならびに論文誌への投稿を行っている。 (1)新規アルゴリズムの検討:RTT公平、ならびにロス公平を実現する新奇なハイブリッドTCP輻輳制御手法の提案と評価を行った。また、ハイブリッド輻輳制御のTCPフレンドリレート制御拡張についても検討・評価を行い、新規提案手法の有効性を実証した。 (2)実験環境の充実:申請機器(インタフェースボードとワークステーション)を購入し、超高速ネットワークのLinux実装実験環境を整備・活用し、超高速ネットワークのNS-2シミュレーション実験評価環境を整備し、さらには、無線ネットワークの実験評価環境の整備・活用を行った。 (3)無線環境への拡張:無線環境特有の問題を考慮した輻輳制御アルゴリズム、ならびにその関連技術の提案と評価を行った。とりわけ輻輳制御・適応レート制御の実装評価を重視し、H.264/AVCによる圧縮映像のマルチホップ転送実験を行った。 (4)研究成果のプロモーション:国際的にも著名なIEEE GLOBECOM2008などで、ハイブリッド輻輳制御とその関連技術に関する成果発表を行った。また、研究室ホームページ上で参照プログラムの公開を行ない(理論解析用MATLABコード、シミュレーション用NS-2コード、実装評価用Linuxコードのセット)、研究成果のプロモーションと情報共有を図った。
|