研究課題
本研究では、大規模で多様性に富んだ放送映像アーカイブに同一映像断片照合を適用し、これを意味関連グラフととらえて解析することにより、従来の画像解析・画像理解に頼らない、新たな映像意味解析・映像アーカイブ構造化技術の実現を目指す。より具体的には、(1)大規模放送映像アーカイブに適用可能な同一映像断片照合の実現、(2)同一映像断片照合により抽出された関連性の分類と利用可能な意味的関連性の抽出、(3)抽出された関連性によるグラフ構造表現ならびにその解析法、そしてこれらを通して、(4)同一映像断片照合による放送映像アーカイブの意味解析の可能性を示す。平成21年度は、局所特徴量を用いた高速同一映像断片照合技術を実現し、TRECVID映像コピー検出タスクに参加した結果、提案手法は他の研究グループの手法を圧倒する高速な照合手法であることが確認された。また、同手法により、放送映像とWeb上などの任意の画像との照合を行う実験を行い、その有効性を確認した。また、同一映像断片照合に基づき、放送映像アーカイブ中のCMの検出・同定を同時に行う手法を実現した。これらと平行して、検出された同一映像断片照合結果のマイニング技術について検討を行い、ある特定の検索キーワードと照合したニュース映像トピック群に対し、同一映像断片照合結果をグラフ構造のリンクと見なし、PageRankと類似したアルゴリズムでリランキングを行う手法を実現し、有効性を確認した。これらの成果については、適宜雑誌論文や国際会議にて発表を行っている。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件)
the International Journal of Multimedia Data Engineering and Management Vol.1, No.1
ページ: 12-36
EURASIP Journal on Advances in Signal Processing, the Special Issue on Video Analysis for Human Behavior Understanding (in press)
電子情報通信学会論文誌, Vol.J92 Vol.J92-D, No.1
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電子情報通信学会論文誌 Vol.J92-D, No.8
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