研究課題
本研究では、大規模で多様性に富んだ放送映像アーカイブに同一映像断片照合を適用し、これを意味関連グラフととらえて解析することにより、従来の画像解析・画像理解に頼らない、新たな映像意味解析・映像アーカイブ構造化技術の実現を目指す。より具体的には(1)大規模放送映像アーカイブに適用可能な同一映像断片照合の実現(2)同一映像断片照合により抽出された関連性の分類と利用可能な意味的関連性の抽出(3)抽出された関連性によるグラフ構造表現ならびにその解析法、そしてこれらを通して(4)同一映像断片照合による放送映像アーカイブの意味解析の可能性を示す。平成22年度は、局所特徴量を用いた高速同一映像断片照合技術に基づき、放送映像とWeb上などの任意の画像との照合を行った場合の精度解析、ならびに7チャンネル3ヶ月分の15,000時間の放送映像をデータベース化し、Web上などの任意の画像と照合するシステムの構築を行い、その有効性を確認した。また、同一映像断片照合に基づき、放送映像アーカイブ中のCMの検出・同定を同時に行う手法に関して、視覚情報と音響情報を相補的に用いて精度向上を行う方法、複数の照合結果を統合して、数年規模のようなより大規模な映像アーカイブからのCM検出・同定を実現する手法、さらにはその結果に基づくCMマイニング技術について検討を行った。これらの成果については、適宜雑誌論文や国際会議にて発表を行っている。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (25件)
the International Journal of Multimedia Data Engineering and Management
巻: Vol.1, No.1 ページ: 12-36
EURASIP Journal on Advances in Signal Processing, the Special Issue on Video Analysis for Human Behavior Understanding
巻: Vol.2010 article id 801252 ページ: 1-14