研究課題/領域番号 |
20300054
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
新田 克己 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60293073)
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研究分担者 |
奥村 学 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60214079)
片上 大輔 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (90345372)
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キーワード | 論争 / 交渉 / インタラクション / ノンバーバル情報 / 時系列解析 |
研究概要 |
本年度の目的は(1)論争ログの収集、(2)発言の感情解析の精度向上、(3)交渉・調停の高度なスキル解析、(4)表情・身振りの候補の列挙と選択機能、の4つであった。 (1)については、テレビの討論番組からのテープ起こしや、裁判員制度における模擬裁判記録など、新たな論争ログの収集を行った。模擬裁判記録は、動画であるため、テキストだけでなく、身振りや表情や声の大小も含んだ論争ログとなっている。そのため、XMLにより、これらの情報を多次元情報として表現し、蓄積を行った。(2)については、発言テキストからの感情と好意度を推定するプログラムを改良し、収集した論争ログに適用してその評価を行った。(3)については、発言ログに出現する単語の共起度を測定し、共起度の高い単語同士を時間経過を考慮しながらクラスタリングする手法を新たに開発して、論争ログの解析システムとして実装し、そのシステムを収集した論争ログに適用して有効性の評価を行った。その結果、論争の転換点の抽出や、論争における意図の抽出など、さまざまな特徴を視覚化することが可能となった。また、動画の論争ログを利用するため、身振りや表情などの特徴のラベルをテキストとともに記録し、統計処理により、論争の場面と身振りや表情との相関関係を調査した。(4)においては、遠隔地の交渉インタフェースとして、力覚伝達装置PHANTOM Omniとヒューマノイドロボットの二種類を使い、ノンバーバル情報が正確に伝達できるか、臨場感が伝達できるか、の2つの観点からの評価を行った。また、コミュニケーションする相手のタイブ(年齢や、社会的立場など)に応じて、身振りがどのように変化するかを調査した。 これらの成果により、次年度(最終年度)に予定されている論争エージェント開発のための基盤技術はほぼ準備が整ったことになる。
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