研究課題
本年度は昨年度に引き続き、1)創発計算手法を用いたABM手法の開発2)エージェント・インタラクション・モデルの開発3)系統的なパラメタ探索手法の開発4)妥当性検査手法の開発5)社会・経済・組織問題へのABMの適用と評価に取り組んだ。その結果、まず、ランドスケープを獲得する順シミュレーション、現象を説明するパラメタを探索する逆シミュレーションの実行を容易に行える大規模社会シミュレーションのフレームワーク"Social Macro Scope(SOMAS)"を開発した。このフレームワークを用いて歴史シミュレーションとしての古代中国における家系図の説明と、組織問題への応用としてのあり得べき組織構造のあり方を説明した。次に、エージェント・インタラクション・モデルとしての複雑二重ネットワークモデルを構築・提唱し、貨幣の創発、マイレージポイントの創発と制御といった現象を説明することができた。さらに、その他の社会・経済・組織問題へのABMの適用としてa)小売店舗の店舗内デザインと顧客行動との関係、b)カーディーラーと顧客との関係を説明した。これらの成果は、大規模社会現象をABMによって初めて説明が可能になったことを示しており、他の現象への適用が見込まれる。
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Journal of Artificial Societies and Social Simulation 12(電子ジャーナルにつきなし)
人工知能学会誌 24
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情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用(TOM) 2
ページ: 57-69
電子情報通信学会誌 J92-D
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