研究概要 |
今後本格化する電子社会では,社会生活の基幹部分が電子化され,電子社会情報システムとして実現される.年金の情報システムが年金法に基づいて作られ運用されているように,電子社会情報システムは多数の相互に関連する法令により規定される.法令が社会を動かすソフトウェアであるという立場に立ち,安心安全な電子社会を目指して,以下の方法論を究めることを目的に法令工学が2004年に提唱された. ・矛盾のない整合性のある法令の作成・解析・変更を系統的に支援する方法論 ・法施行情報システムを法令構造に基づいて系統的に設計・開発する方法論 ・法令,情報倫理,技術標準を情報システムや組織規則に反映させる方法論 本研究はこのような法令工学の言語面に関する基本技術を明らかにすることを目的とする.特に,法令文書を対象に法令構造を分析・モデル化し,分析やモデルに基づいて法令文書の解析法,法令文書の整合性検証法,法令文書の可読性向上法などを明らかにし,法令工学の発展に資するものである.具体的には,国民年金法を主な対象に,条項の論理構造の分析,モデル化,解析法に重点を置き,これを整合性や可読性の研究に反映させる.
|