研究概要 |
本研究では,さまざまなレベルでの混雑度に応じた人物追跡手法を実現することにより,安心安全社会のための高度セキュリティシステムや実世界における人物行動解析によるマーケティングなど,多様な分野へ展開可能な人物追跡技術を他に先駆けて実現することを目指し、 ・時系列フィルタと識別器の統合による人物追跡手法の高度化 ・低レベル特徴軌跡のクラスタリングによる人物追跡手法の開発 ・流体モデルにもとづく群衆全体の流れ解析による人物追跡手法の開発について研究を進めている。平成20年度は以下の項目について研究成果を得た。 1.人物追跡手法開発のための実験システム構築 複数カメラとレーザスキャナからの観測情報の統合にもとつく複数人物追跡手法を開発するための観測装置およびデータ処理装置を構築した。 2.統合アルゴリズムの設計と性能評価 視野を共有する複数カメラからの観測情報とレーザスキャナからの観測情報をパーティクルフィルタの枠組みで統一的に扱うためのアルゴリズムを構築し、基礎的な実験によりその性能評価を行った。 3.低レベル特徴軌跡のクラスタリング 混雑する駅コンコースなどのように,頻繁に発生する人物間遮蔽のために人物頭部を要素とした追跡が成り立たない場合に対し,低レベル特徴軌跡のクラスタリングというアプローチにもとづく手法を考案し、実データをもとにその性能を評価し、必要な改善点について検討した。
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