研究課題/領域番号 |
20300062
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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研究分担者 |
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 講師 (70329118)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00205668)
宮島 久美子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)
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キーワード | 代謝酵素 / 高感度匂いセンサ / 代謝・無臭化機能 / 光計測 / 人工嗅覚 / 揮発性有機化合物 |
研究概要 |
平成20年度において申請者は、生体の消臭・無臭化に役立っている体内の代謝酵素を認識素子として用いて、多様な匂い成分の計測が可能な生化学式ガスセンサを構築した。生体には摂取した物質を代謝分解する酵素群が存在し、その一つである窒素化合物を分解するFMO(フラビン含有モノオキシゲナーゼ)酵素系を現有設備である光ファイバ計測ユニットに組込み、酵素群の代謝による生成物等を蛍光や発光にて匂い成分を計測し、生化学式ガスセンサの応答性や定量特性、選択性を調べた。 魚臭症候群という遺伝疾患において、魚臭成分であるトリメチルアミンは生体より呼気や汗などの体臭として放出されることが報告されており、近年の研究により魚臭症候群の患者では上述の代謝酵素のFMO酵素系の異性体type-3(FMO-3)が遺伝的に欠損することで、トリメチルアミンの体内での無臭化が行われないことが原因と報告された。そこでこのFMO-3のトリメチルアミン代謝分解機構を応用することで、魚臭成分であるトリメチルアミンの計測を可能とした。実験ではこれらの知見に基づき、代表的な匂い物質である、揮発性窒素化合物(トリメチルアミン)についてFMO-3を利用して、高感度センサを個別に開発した。また代謝酵素系の微弱な反応を高感度に検出するため、現有の設備に加えて新たに光学系装置を導入して、高感度光学系を構築した。本システムでは、代謝酵素を固定化した酵素膜を二軸光ファイバの先端感応部に装着して用いた。今後、新規に構築した光学計測系を用いて、匂い成分の高感度計測化を進める。
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