研究課題/領域番号 |
20300062
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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研究分担者 |
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 講師 (70329118)
斉藤 浩一 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00205668)
宮島 久美子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)
荒川 貴博 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (50409637)
高橋 大志 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特任助教 (20549943)
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キーワード | 代謝酵素 / 高感度匂いセンサ / 代謝・無臭化機能 / 光計測 / 人工嗅覚 / 揮発性有機化合物 |
研究概要 |
21年度には、昨年度の代謝酵素群を利用した生化学式ガスセンサ素子の開発と特性評価を継続すると共に、化学リサイクリング増幅反応を組み込むことで、匂い成分の高感度計測を進めた。 代謝酵素をセンサデバイスに利用する時に最も問題となるのは代謝酵素の活性が極めて低いことで、一般な酵素では触媒能力を示す比活性が数10μmol/(mg・min)なのに対して、代謝酵素は数100pmol/(mg・min)程度と4桁程度低く、代謝酵素をバイオセンサに利用してもセンサ出力が確認できないことがある。そこで申請者は「測定対象となる基質から酵素触媒により産生された生成物を化学的に再度基質へと戻す」化学リサイクリング機構を利用し、この化学リサイクリング技術を高感度光学計測システムと組み合わせた。 実験では代謝酵素FMOに、化学リサイクリング反応のため還元剤であるアスコルビン酸を利用することで、トリメチルアミンが代謝酵素により酸化・生成された「酸化トリメチルアミン(TMA-O)」を、アスコルビン酸により還元することで再度、トリメチルアミンに戻す。これにより酵素反応の還元反応の化学リサイクリングが行われ、微量トリメチルアミンにおいても消費される酸素量が増し、その変化を酸素計測光ファイバで計測することで、センサの光シグナルを増幅することが可能となる。 実際に代謝酵素と還元剤を使った化学リサイクリング反応にて、その反応速度を調べると共に最適な還元剤濃度を検討して、シグナル増幅を行ったところ、センサ出力を数倍増幅することに成功し、特に低濃度領域の出力増幅により感度の増加及び検出感度の向上が図れた。
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