研究概要 |
本研究の目的は,車載カメラ映像や監視カメラ映像などの多様な変動をもつ環境の中での実画像を例に,1枚の画像だけでは情報量の不足により認識できないような超低品質の画像の認識原理の確立にある.その実現に向けて,過去に蓄積された膨大な時空間的な履歴情報(データベース)を適切に利用することにより精度よく画像を認識する原理と,長時間の入力動画像などの長時間情報を利用し認識精度を向上させる原理を,体系的に追究する.今後ますます画像認識による人間の支援は重要性が増すが,本研究はそれを実社会に安全に取り入れていくための大切な技術である. 本年度は,監視カメラ映像などで得られるような低品質な画像から人物画像を認識する際に動画像などの長時間情報を利用して認識精度を向上させる手法,通常の携帯カメラで文書などの大きな領域を一度に撮影する際に見られるような非常に低解像度の文字を認識する際に時系列の情報を利用して認識精度を向上させる手法,遠方の標識などの低品質な画像から標識を検出する際に劣化モデルを導入し検出精度を向上させる手法を提案した.実環境で撮影した画像を用いた実験により,提案手法の有効性を示した.
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