研究概要 |
1.疎テンプレートコンデンセーション法の高性能化 前年度までに有効性を確認してきた段階的粗密探索について,GPGPU上での実装とmulti core PC上での実装を比較検討した.この結果,3次元テンプレートを対象とした追跡ではmulti core PCの方が処理性能において優れていることが判った.また,移植性や認識機能との融合の観点からもmulti core PCが優れていることが判り,項目2および項目3についてはmulti core PCで進めていくことにする. 2.既知3次元物体の姿勢追跡 既知3次元物体の実時間姿勢追跡については2009年9月に論文発表済みであったが,固定形状の3次元テンプレート上に照明変動を固有空間で表現することで2次元固有空間による3次元姿勢追跡に成功した.また,顔を対象とした場合,25人の3次元形状の平均形状を求め.この上にテクスチャを30次元固有空間で表現することにより,25名の人物について人物・照明変動・姿勢変化のどれにも対応できる実時間追跡系を実現できた.この結果をベースとして項目3を実装した. 3.登録顔画像による人物識別 前年度まで進めてきた2次元固有空間を用いた追跡・認識融合を3次元形状を対象とした追跡・認識融合に発展させることに成功した.即ち,項目2で述べた3次元物体追跡技術に,拡張固有空間による画像からの形状推定,照明変動に対応するための照明適応技術を組合わせることで,追跡・認識融合系を構成し,25人の顔に関して,追跡・認識融合が可能であることを確かめた.(この成果は,2011年1月のPRMU研究会,および2011年3月に開催のFG2011(IEEE主催,Santa Barbara)において発表済みである.FG2011発表論文は,この会議においてOutstanding Student Paper Awardを受賞した.) 4.動画像例示による動作認識 例示された動画像上で適応型追跡(電子情報通信学会論文誌D,8月号掲載)による固有空間の自動作成法につい検討を進め.表情追跡・認識への有効性を確認した.これらについては,23年度に成果発表を予定している.また,22年後半に購入したKinectを動作認識に利用することを検討した. 5.特定人物用ヒューマンインタフェースの試作 項目3で述べた追跡・認識融合系をベースとして,特定人物の顔形状モデルを用いて姿勢推定・人物識別・表情認識の集積したを計る.ここで,表情学習には項目4で述べた方法の利用を中心に考えるとともに,Kinectによるジェス 連携研究者 右田剛史(岡山大学・自然科学研究科・助教):項目1と2においてアルゴリズムの高性能化に参画 山根亮(岡山大学・自然科学研究科・助手):項目4と5において動作認識系の構成に参画
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