研究課題/領域番号 |
20300077
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
張 浦華 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (00302399)
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研究分担者 |
柿山 浩一郎 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (30410517)
原田 昭 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (70114121)
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キーワード | 感性評価 / 形態 / 快・不快 / 連想 / 連想的意味 / 情緒的意味 / 物理的意味 / 製品 |
研究概要 |
本研究内容は、工業製品などのデザインが有する形態に対しての人間の快・不快反応を生理指標である脳波によって客観的に評価することができるかどうかについて調査し、この手法の有効性を検証することである。H21年度では、形態に対して人間はどのように評価しているのかについて研究を行い、製品の形態に対しての評価は、形態から人間が受けとる刺激から連想するイメージや事柄によって大きく左右されることが分かった。工業製品における二つの重要な要素としての機能と形態について、これまでの捉え方では、機能は、いわゆる"物理的な機能"を意味し、形態はいわゆる、製品の"外観的造形"を意味して来た。しかしここに示した独立した"機能"と"形態"だけではなく、製品から受け取る"こだわり"、"思いやり"、"信頼感"、"遊び性"などの印象の形成を果たす何かが存在している。一方で、製品デザインの"ストーリー性"や"メッセージ性"を通して、ユーザに"快・不快"、"驚き"、"微笑ましさ"、"感動"、"癒し"、"愛着"、"信頼感"が生まれる。このような働きを、製品の"感性機能"と定義し、"感性機能"は製品デザインを評価する上で重要な役割を果たしていることをこの研究で示した。"感性機能"に対しての評価は下記によって大きく影響されることが分かった。(1)製品に込められる"ストーリー性"、"メッセージ性"(使ううちに明瞭になる)(2)製品から連想されるイメージや事柄の頻度数(強度)(3)製品に含まれる「連想的意味」、「情緒的意味」、「比喩的表現」の拡がり(幅)デザイナーが製品に組み込んだ、物理的利便性や、審美的造形性とは異なって、"感性機能"は人間の感性・生理情報処理を経て体感されるものである。従って、アンケートやチェックシートではなかなか回答値が得られず情報は、生理的計測装置による計測が有効である。
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