遠隔操作システムの操作性は、操作者に提示される情報の質に依存するが、通信に起因する提示遅延は避けることができない。そこで、より低遅延で届く情報を用いて高遅延で届く情報を装飾することで、システム全体の遅延に対する影響を緩和しようとするのが本研究の着想である。本研究では、視覚・聴覚・触覚の提示それぞれの提示遅延を任意に設定可能な遠隔操作システムを開発した。これを用いて様々な提示遅延条件下での操作性低下を実験的に調査した結果、視覚提示遅延は200msを超えると劇的に操作性が低下することなどの基礎データを得ることができた。また触覚情報を用いて視覚・聴覚情報を装飾することにより、200msを超える提示遅延環境下での操作性を大幅に改善できることなどの提案手法の有効性を検証することができた。
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