文法化と超越性の計算モデル構築による言語の起源と進化の研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20300082
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 感性情報学・ソフトコンピューティング
• 研究機関: 北陸先端科学技術大学院大学
• 研究代表者: 橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (90313709)
• 研究分担者: 山内 肇 独立行政法人理化学研究所, 生物言語研究チーム, 研究員 (80467125)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 文法化 / 超越性 / 言語の起源と進化 / 構成論的アプローチ / 一方向性 / 認知能力 / 言語的類推 / メタファー的・メトニミー的推論

研究概要

文法化と超越性という人間言語に特有で普遍的な性質に着目して,言語の起源と進化について構成論的研究を行った.その結果,言語ルールを拡大適用する能力である言語的類推能力が,獲得可能・変化可能な言語ができるために非常に重要であり,この能力が超越性をもたらし得るものであり,言語起源で獲得しているべき能力であることを示した.そして,メタファー的・メトニミー的推論が文法化に特徴的な具体から抽象への一方向性をもたらすことを見出した.

研究成果

• [雑誌論文] Linguistic analogy for creativity and origin of language (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto, M. Nakatsuka, T. Konno
  • 雑誌名: The Evolution of Language ページ: 184-191
  • 査読あり
• [雑誌論文] Relaxation of selection, niche construction, and the Baldwin effect in language evolution (2010)
  • 著者名/発表者名: H. Yamauchi, T. Hashimoto
  • 雑誌名: Artificial Life 巻: 16 ページ: 271-288
  • 査読あり
• [雑誌論文] New composite evolutionary computation algorithm using interactions among genetic evolution, individual learning and social learning (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto, K. Warashina, H. Yamauchi
  • 雑誌名: Intelligent Data Analysis 巻: 14(4) ページ: 497-514
  • 査読あり
• [雑誌論文] 言語の起源と進化への進化的構成論的アプローチ (2010)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 雑誌名: 認知言語学会論文集 巻: 10 ページ: 745-748
• [雑誌論文] 社会的知能発生学における構成論的シミュレーションの役割とSIGVerseの開発 (2010)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬, 稲邑哲也, 柴田智広, 瀬名秀明
  • 雑誌名: ロボット学会誌 巻: 28(4) ページ: 39-44
  • 査読あり
• [雑誌論文] 合成的言語の形成過程における言語変化と多義性の役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 金野武司, 橋本敬
  • 雑誌名: 認知言語学会論文集 巻: 10 ページ: 754-757
• [雑誌論文] 文法化を起こす認知能力・バイアスの検討-構成的手法によるモデル化- (2008)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 雑誌名: 日本言語学第137回大会予稿集 ページ: 26-41
• [学会発表] Niche construction and language evolution, University of California (2012)
  • 著者名/発表者名: H. Yamauchi
  • 学会等名: San Diego Computer Research Laboratory Talk
  • 発表場所: University of California, San Diego, USA
  • 年月日: 2012-02-24
• [学会発表] Evolution of symbolic communication and language : Constructive and experimental approaches (2011)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto
  • 学会等名: Global COE International Symposium "Future Trends in the Biology of Language"
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-03-09
• [学会発表] 言語とコミュニケーションの進化的研究:ロボットコミュニケーションの設計原理へ向けて (2010)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 学会等名: 日本ロボット学会ロボット工学セミナー第61回シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-11-29
• [学会発表] 言語進化の問題とモデル化-繰り返し学習と一方向的意味変化- (2010)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 学会等名: 電子情報通信学会非線形問題研究会
  • 発表場所: 石川
  • 年月日: 2010-07-12
• [学会発表] 文法化のシミュレーションから、言語の起源と進化へ (2010)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 学会等名: 関西言語学会第35回大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2010-06-26
• [学会発表] Constructive approach to language evolution (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto
  • 学会等名: The International Seminar on the Emergence and Evolution of Linguistic Communication 2010
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2010-03-11
• [学会発表] Evolutionary computation using interaction among genetic evolution, individual learning and social learning (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto, K. Warashina
  • 学会等名: The Tenth Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence(PRICAI-08)
  • 発表場所: Hanoi, Vietnam
  • 年月日: 2008-12-18
• [図書] 進化言語学の構築-新しい人間科学を目指して,第13章繰り返し学習モデルによる文法化の構成論的研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 橋本敬
  • 総ページ数: 258
  • 出版者: ひつじ書房
• [図書] Future Trends in the Biology of Language(第3章Constructive modeling of gramaticalization for the Origin and Evolution of Language) (2012)
  • 著者名/発表者名: T. Hashimoto, M. Nakatsuka, T. Konno
  • 総ページ数: 53-81
  • 出版者: Keio University