研究概要 |
本研究では将来期待される脳シミュレータの実現のためにその構成要素となるべきニューロンの数理的モデルを構築することを目的として実験との対応,モデル化,解析ツールの提供という目的で取り組んだ.本年度は,スパイクモデルで裁量のパフォーマンスを示した我々のMAT modelの改良に取り組みつつも,スパイクモデルを決めて出力信号列から入力を推定するという枠組みの構築を行った.一つは膜電位時系列から入力推定を行うというもの(R. Kobayashi, Y. Tsubo, P. Lansky, and S. Shinomoto, Advances in NIPS (2012) 24: 217-225.)であり,もう一つはスパイク時系列から時間変動する入力を推定するという枠組み(H. Kim and S. Shinomoto, Physical Review E (2012) 86:051903.)である.また,神経データの統計解析において関連研究を行っている外国人研究協力者を招へいし,質の高い情報収集を行い,いくつかの国際共同研究も論文として結実しつつある.海外での学会においても招待講演の依頼を受け,研究の国際的な認知度も急速に向上しつつある.
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