研究課題
本研究の目的は、公共図書館の利用者、サービス実施の際の連携機関の関係者、および図書館員に対するインタビュー調査によって、新規サービスが創出した価値が人々に共有されるための条件を明確にし、モデル化する。さらに、サービスを実施している公共図書館に対する質問紙調査により、モデルの有効性と適用可能性を検証する。対象とするのは公共図書館のビジネス支援サービスである。本年度はまず、長期的視野に立った図書館事例研究の一環として、以前に調査した1図書館を対象に訪問調査を実施し、図書館の視察、図書館員インタビュー、利用者インタビュー、連携機関の関係者のインタビューにより、図書館員の価値認識、利用者および関係者のサービスイメージおよび有用性の認識を分析した。調査結果は質的データ分析ソフトAtlas-tiを用いて分析している。また、前回調査の結果と比較すると共に、前回からの変化を観察し、サービスの変化要因を探った。調査からは、当該図書館においてビジネス支援サービスが定着し、発展しつつあることが明らかになった。業務が新たな図書館員により継承され、図書館の日常業務に以前より深く組み込まれるようになっていた。また、利用者および関係者の認識も変化しており、以前に比べ、サービスに対する評価や改善の提案などはより具体的なものになっている。また、関係者も前任者から連携事業を引き継いでいることが多く、この点でもサービスの定着・発展が見られた。その他に補足的な訪問調査をビジネス支援サービス実施館に対して行った。また、研究打合せを7回行い、モデル化と理論化に向けて検討を行った。さらに、研究成果を国際研究集会ならびに国内学会等で発表した。
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Information Research vol. 13, no. 4
ページ: 366
http://www.slis.keio.ac.jp./~tamaran/research/bizlib/index.html