研究課題/領域番号 |
20300089
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
戸田 愼一 東洋大学, 社会学部, 教授 (10183493)
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研究分担者 |
海野 敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (80232891)
影浦 峡 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00211152)
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キーワード | 印刷メディア / 近代図書館 / 近代日本 / 統計データ / 出版 / 情報メディア |
研究概要 |
平成21年度は、明治(近代化)以降の日本において印刷メディア(図書、雑誌等)の発展・普及と近代図書館の役割がどのような関係にあったのかを解明するために、3つの作業を進めた。第1に、印刷メディアをメディア環境全般の中に正確に位置づけるため、現代日本の多様なメディアを情報伝達性能の観点から体系的、包括的に比較した。その結果、現代日本におけるメディア相互の関係と配置を系統的に把握することができた。第2に、印刷メディアを21世紀の新しいメディア環境の中に位置づけるため、デジタル化・ネットワーク化によって情報組織化にどのような本質的変化がもたらされたかを検討した。その結果、印刷メディアのメタファーないしアナロジーが通用しない情報組織化手法が社会に浸透していることが明らかとなった。第3に、印刷メディアと図書館の発展・普及を経年的に分析する第1段階として、出版流通、図書館利用、および非印刷メディアの流通・利用に関する統計データを、前年度に引き続いて調査、収集、整理した。その結果、明治初年から2008年まで、可能な限り長期にわたる各種のデータを入手することができ、基本的な分析を開始することができた。第1、第2の作業の成果は、論文として発表済みである。また、これらの作業のほかに、次年度へ向けて、収集した長期統計データを操作、解釈するにあたって留意すべき要因の整理、出版流通と図書館の蔵書について分析するためのカテゴリーの検討、「特定の資料・資料群を対象とした利用持続性の分析」を行うためのデータ収集方針の立案なども行った。
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