研究概要 |
本年度の研究成果は以下の通りである. 1)期限付き空間情報共有手法プロトタイプ開発 年年度検討した方式に関して,データ構造のプロトタイプを作成した.対象としている時空間データ構造であるDiMSISフォーマット,KIWI+フォーマットでは差分ファイルに関する構造は規定されておらず,現在,いくつかの方式が提案されているが,現在最も利用されている構造を対象にデータ有効期限の情報を埋め込むことを行った. 2)提案した情報共有手法の自治体への試験導入と有効性の検証 平成20年度の研究成果を, 自治体 (北海道遠軽町, 秋田県由利本荘市) に試験導入し, 自治体職員への聞き取り調査などによりその実現可能性に関する検討を行った. 3)自治体・地域間の情報共有に関する問題点の明確化 災害時には自治体の持つ情報を地域に提供するだけでなく,地域固有の情報を自治体に提供する場合もある.これを行うためには自治体内での部署間の調整とは別の問題点が表出する.地域コミュニティ(呉田地区まちづくりの会,遠軽町の自治会)を対象に,情報システムの導入に関する課題から自治体との調整事項までの過程を対象に問題点を明確化し,具体的な共有過程について考察を行った. 4)海外の導入事例に関する分析 トルコ・デュズジェ市へのシステム導入の事例を分析することで,日本では実現されていない導入過程における知見を取り出した.日本の導入モデルと比較し,国際展開の可能性に関する議論を行った.
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