研究概要 |
本年度の研究成果は以下の通りである 1)要支援者情報の収集・管理と災害時の共有に関する検討 地域コミュニティの固有情報として要支援者,要援護者情報が想定される.これらの情報は災害時には,様々な機関と共有することでその価値を高め,対象者に対するきめ細かな対応が可能となる.具体的な情報の収集から管理,共有手法という一連の作業に情報システム構築の観点から参加し,実運用可能な方法について検討を行った. 2)期限付き空間情報共有手法の実装と有効性の検証 前年度までの評価を受けて期限付きの空間情報共有手法を実装した.防災訓練などで,この機能の実現イメージを自治体職員,地域コミュニティに紹介し,その有効性についてヒアリング調査を行った. 3)国内・海外の導入事例に関する分析 前年に引き続きトルコ・デュズジェ市へのシステム導入の事例を分析することで,日本では実現されていない導入過程における知見を取り出し,日本の導入モデルに新たな提案を行った.また,国内で得られた知見の国際展開の可能性に関しても議論を行った. 4)災害対応も考慮した自治体統合型GIS構築の体系化 ここまで提案してきたシステム,開発してきたソフトウエアを用いて災害対応も考慮した自治体統合型GIS構築の体系化を行った.提案した体系のコスト評価も行い,本研究成果の適応可能範囲を明確化した.
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