研究課題
実世界で生起する確率的事象には、ネットワークの上、またはネットワーク沿いで生起する事象が極めて多い。従来、これらの事象は平面空間とユークリッド距離を前提とした統計空間分析法で分析されていたが、その方法は誤った結論を導く可能性が極めて高い。これを克服すべく、本研究では、次の4つの研究目的を掲げた。第1にネットワーク空間と最短経路距離を前提とする新たな「ネットワーク統計空間分析法」を開発する。第2に、得られたネットワーク統計空間分析法の効率的な算法を開発する。第3に、その算法を使ってネットワーク統計空間分析法を容易に利用できるソフトウェアを開発する。第4に成果たる方法、算法、ソフトウェアを体系的に理解できる学術書を出版する。23年度まで、順調に研究目的1,2,3を達成し、最終年度である24年度は、第4の目的を達成する研究を行った。その結果、John WileyのStatistics in PracticeシリーズからSpatial Analysis along Networks: Statistical and Computational Methods出版することができた。章の内容は次の通りである。第1章:序論。第2章:ネットワーク上またはネットワーク沿いの事象のモデル化。第3章:ネットワーク空間分析のための基礎的算法の方法。第4章:ネットワークボロノイダイヤグラム。第5章:ネットワーク最近隣距離法。第6章:ネットワークK関数法。第7章:ネットワーク空間自己相関法。第8章:ネットワーククラスター分析とクランピング法。第9章:ネットワーク点密度推定法。第10章:ネットワーク空間内挿法。第11章:ネットワークハフモデル。第12章:地理情報システムに基づく空間分析法のツールとその応用。ネットワーク上または沿いの空間分析法を体系的にまとめた学術書としては、世界初である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Advanced Computer Science and Applications
巻: 3 ページ: 44-54
International Journal of Computers, Information Technology and Engineering
巻: 6 ページ: 55-64