ヒトの健康を脅かす稀少生起事象の勃発の兆候を早期に検出するための新しい統計モデルの開発を行った。従来の統計モデルでは、任意の形状をした勃発地域の検出が適切かつタイムリーにできないという問題点があった。本研究では、まず、新しい制限付き尤度比検定統計量を導入して、勃発が起きていない地域を誤って検出しないように改善した。次に、「局所的な地域において徐々に時間的かつ空間的に拡大していくアウトブレイク」を適切に検出するための新しい統計モデルをポアッソン分布の過分散を考慮して提案した。これらの方法を、北九州市の小学校の欠席者数のサーベイランスデータに適用してその性能を評価した。
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