研究課題/領域番号 |
20300119
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
寺島 俊雄 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20101892)
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研究分担者 |
吉川 知志 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90244681)
勝山 裕 神戸大学, 医学研究科, 助教 (10359862)
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キーワード | リーラー / 大脳皮質 / 層構成 / 層特異的マーカ / リーリン |
研究概要 |
正常マウスの大脳皮質では2・3層ニューロンがmSorLAを、4層ニューロンがROR-betaを、5層ニューロンがER81を、6層ニューロンがTbr1を主に発現する。reelerではこの様な遺伝子発現による明瞭な層の区分は見られなかった。すなわちER81発現細胞、mSorLA発現細胞は、それぞれ5層、2・3層に分布することなく、垂直方向にそって一様に分布していた。ROR-betaを発現するニューロンは明瞭な層分布を示さず、軟膜直下や脳室の近傍を除く広いレベルに分布していた。Tbr1発現ニューロンは、軟膜直下に広がる薄い細胞層として認められるほかに、大脳皮質深層に散在していた。ER81とROR-betaのシグナルは明瞭に認められるので、これらのマーカー分子を用いて細胞数を数え、ニューロンの分布を定量的に調べた。その結果、ROR-beta発現ニューロンの垂直方向の分布はreelerでも正常マウスの大脳皮質と同じbinにピークを持つことが示された。しかしピークに相当するbin中のニューロン数の総対比は低く、reelerではROR-beta発現細胞が互いに凝集して層を形成する機能が低下している可能性が示唆された。ER81発現ニューロンは正常マウスでは5層に限局するが、reelerの運動野では深層に不明瞭なピークが見られ、体性感覚野や視覚野では浅層の2カ所で2峰性の不明瞭なピークが見られた。
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