1.組織学的な検索(寺島担当) Dabl conditional KOマウスの大脳皮質の層構築を神経回路標識法、層特異的マーカーの抗体を用いた免疫組織化学、in situhybridization法などを用いて研究した結果、とくに対照マウスとの差異を認めなかった。しかし鍍銀法により大脳皮質錐体細胞の樹状突起棘に異常を見出した。 2.BrdUによるbirth date labeling法(寺島担当) 膣栓確認後10-21日のミュータント動物および対照動物の母体にBrdUを腹腔内投与し、12時間-32時間後に母体より胎児を得て、パラフォルムアルデヒドにて固定後、凍結切片を作成し、BrdUの抗体を用いた免疫染色により、大脳皮質各層を構成するニューロン群のbirth dateを明らかにした。さらに逆行性標識法とbirth date labeling法を組み合わせ、層特異的投射ニューロンの皮質内位置とbirth dateとの関係を二重標識法にて明らかにする予定であったが、安定した標識を得られなかった。 3.培養大脳皮質における移動ニューロンのエレクトロポレーションン法による標識(吉川担当) オワンクラゲ蛍光Green Fluorescent ProteinをコードするGFP遺伝子が挿入されたベクターpA15GFPS/TをXba1で切断し、断片を経子宮的に胎生中期~後期の大脳皮質異常ミュータント動物の胎仔の側脳室に注入し、神経管上皮細胞にエレクトロポレーション法により遺伝子導入を行った。具体的には、リーラー、ヨタリにおいてプレプレートが分離せず、皮質板がアンダープレートとして皮質板の直下にアウトサイド・インに配列することを直視下で観察・証明した。
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