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2010 年度 実績報告書

嗅覚高次中枢の細胞構成及び嗅球とのシナプス結合関係の形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20300120
研究機関九州大学

研究代表者

小坂 俊夫  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00126054)

キーワード嗅覚中枢 / 投射ニューロン / 介在ニューロン / トレーサー実験 / 免疫細胞化学 / 共焦点レーザー顕微鏡 / カルシウム結合蛋白
研究概要

嗅球内には多様ないわゆるGABA作動性"短軸索ニューロンshort axon cell SA"が存在している。このようないわゆる"短軸索ニューロン"は数の上では比較的少数であるが、機能的に重視されている。これらは従来軸索が嗅球内で終わっている介在ニューロンと考えられてきた。しかし、我々の一連のトレーサー実験等で"短軸索ニューロン"の一部は嗅球外に投射していることが明らかとなった。このことから我々は嗅球における"非主投射ニューロンNPP"を提唱した。以前の検討では"非主投射ニューロンNPP"にはNOS陽性ニューロン、calbindin陽性ニューロンの一部が含まれていることが示された。嗅覚関連高次脳領域である島皮質,嗅結節,視床下部等に逆行性トレーサーfluorogoldを注入し標識されるニューロンの化学的性質を検討した。しかし、逆行性トレーサーで標識されたニューロンの大部分はparvalbumin,calretinin,secretagogin等の嗅球ニューロンの化学的マーカーでは染色されなかった。このことは"非主投射ニューロンNPP"は化学的性質の面から多様であり、これまで同定したNOS陽性、calbindin陽性"非主投射ニューロンNPP"はむしろごく一部であることが明らかとなった。更に、嗅球外の異なった部位にトレーサーを注入した時、それぞれ嗅球内の異なったニューロン群が逆行性に標識される所見を得た。このことは特定の"非主投射ニューロン"はそれぞれ異なった嗅覚関連高次脳領域に投射している可能性を示唆している。このような所見は、今後、体系的なトレーサー実験で異なった部位に投射している"非主投射ニューロンNPP"の違いを明確にする必要性を示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] "Interneurons" in the olfactory bulb revisited.2011

    • 著者名/発表者名
      T.Kosaka, K.Kosaka
    • 雑誌名

      Neurosci Res.

      巻: 69 ページ: 93-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Heterogeneity of calbindin-containing neurons in the mouse main olfactory bulb : I.General description.2010

    • 著者名/発表者名
      T.Kosaka, K.Kosaka
    • 雑誌名

      Neurosci Res.

      巻: 67 ページ: 275-292

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stereological estimation of numerical densities of glutamatergic principal neurons in the mouse hippocampus.2010

    • 著者名/発表者名
      S.Jinno, T.Kosaka
    • 雑誌名

      Hippocampus

      巻: 20 ページ: 829-840

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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