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2008 年度 実績報告書

脊髄再生に対する細胞移植の効果とそのメカニズム-形態学的解明と有効因子の解析-

研究課題

研究課題/領域番号 20300122
研究機関藍野大学

研究代表者

井出 千束  藍野大学, 医療保健学部・作業療法学科, 教授 (70010080)

研究分担者 中野 法彦  藍野大学, 医療保健学部, 特任助教授 (40322721)
山田 義博  藍野大学, 医療保健学部, 特任教授 (30252464)
キーワード神経再生 / 移植・再生医療 / 脊髄再生 / 再生医学 / 栄養因子
研究概要

本年度は、損傷後一定期間を経た脊髄損傷ラットに対する骨髄間質細胞の移植効果を調べた。ラットの脊髄に挫滅損傷を加え、2週間後に損傷部に培養骨髄間質細胞を注入した。細胞移植後8週迄観察して、歩行運動の回復を調べ、脊髄損傷部の組織学的な変化を対照群と比較した。その結果、細胞移植群では歩行評価指数(BBB)が、4〜8週後で9.6〜9.8ポイントであるが、対照群では細胞移植時とほとんど変化なく、4〜5ポイント止まりであった。組織学的には、空洞の形成が対照群に比して1/3に抑制されていた。最も著明な所見は移植骨髄間質細胞の周りに無数の再生軸索が伸長することである。これらの再生軸軸索はシュワン細胞によって囲まれていた。これらの結果は、損傷2週後のラット脊髄損傷において、骨髄間質細胞の移植が軸索の再生を惹起し、歩行運動の回復をもたらすことが明らかとなった。次に、骨髄間質細胞の培養上清に含まれる有効因子の同定を行なった。培養上清をヘパリンカラムに流して、カラムに吸着する物質を塩濃度勾配で溶出し、有効因子の含まれる分画を同定した。効果の判定は、培養1日目のラット海馬ニューロンに対して、生存維持および突起伸長の作用がどの程度あるかによった。またこれとは別に、50KDa, 30KDa, 10KDa, 5KDa,およびそれ以下の分画として有効因子の含まれる分画を決めた。これによって、有効因子の含まれる分画をかなり絞ることが出来た。今後はこれに基づいて、個々の分子を同定して、上記のアッセイ系にかけて、その効果を判定する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Peripheral Nerve regeneration by transplantation of BMSC-derived Schwann cells as Chitosan gel sponge scaffolds2009

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa N, Suzuki Y, Dezawa M, Kataoka K, Ota M, Cho H, Ide C
    • 雑誌名

      J Biomed Mater Res A. 89(4)

      ページ: 1118-1124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regeneration (synopsis). Encyclopedic Reference of Neuroscience (Eds. MD Binder, N Hirokawa, U Windhorst)2009

    • 著者名/発表者名
      Ide C, Dezawa M, Matsumoto N, Itokazu Y
    • 雑誌名

      Springer-Verlag 3

      ページ: 3403-3409

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spinal cord injury treatment with intrathecal autologous bone marrow stromal cell transplamtation : the first clinical trial case report2008

    • 著者名/発表者名
      Saito F, Nakatani T, Iwase M, Maeda Y, Murao Y, Suzuki Y, Onodera R, Fukushima M, Ide C
    • 雑誌名

      J Trauma 64(1)

      ページ: 53-59

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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