研究課題
脳は、多様な神経細胞集団が極めて複雑なネットワークを形成して機能しているが、発生過程では個々の神経細胞やグリア細胞が細胞間相互作用を積み重ねることにより形成される。我々は既知のガイダンス分子とは全くホモロジーの無い抑制性の神経ガイダンス分子を見出し、Draxin (Dorsal repulsive axonguidance protein)と命名した。Draxinは分子量約5万の分泌型タンパクである。Draxinは新規な分泌タンパクであるため、新規受容体を期待して発現クローニングを行ったが成功しなかった。次に、可能性が想定される既知分子を発現スクリーニングし、一つの候補分子を得たが、シグナル機構そのものの解析はこれからである。そのため、マウスDraxin分子に対するモノクローナル抗体を作成し、マウス胚脳からDraxinタンパクを免疫沈降し、一緒に落ちて来る分子群をプロテオミックスの手法で解析することにした。マウスDraxin-FcタンパクをCOS細胞に発現し、その無血清培養上清からプロテインAカラムによりDraxin-Fcタンパクを精製した。この精製タンパクをDraxin遺伝子欠損マウスに免疫することにより、より効率的に抗体を産生することを試みた。免疫したマウスの脾臓を取り出し、モノクローナル抗体を作製し、Draxinを発現する細胞を用いた免疫染色スクリーニングにより抗体を得た。現在、得られたモナクローナル抗体が免疫沈降に使用可能かどうか、解析中である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件)
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