研究課題/領域番号 |
20300135
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
山形 要人 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20263262)
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研究分担者 |
杉浦 弘子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40162870)
田中 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70273638)
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キーワード | arcadlin / グルタミン酸受容体 / スプライシング / エンドサイトーシス |
研究概要 |
「神経活動→arcadlinの誘導→→arcadlin-N-cadherin複合体のco-endocytosis」の結果として生理的に引き起こされるシナプス機能の変化を検討するために、本分子複合体が稼働しているシナプス膜における、神経伝達物質受容体の分布変化について検討した。まず本分子複合体の標的となる神経伝達物質受容体として有力なグルタミン酸受容体GluR1とGluR2について、免疫沈降法によりタンパク質間相互作用を確認した結果、N-cadherinとGluR2の結合は安定して得られた。N-cadherinとGluR1との結合は確認申である。次に、これらの受容体分子が、Arcadlinの誘導が得られる条件で、それぞれ特有の挙動を示す(GluR1:細胞表面から減少、GluR2:短鎖型のものだけが表面に増加)ことを、培養神経細胞の膜表面タンパク質ビオチン化実験により示すことができた。 また、arcadlinの細胞内領域が異なるスプライスバリアント(Acad-L)を見出しており、そのスプライシングが神経活動によって制御されることが分かっている。そこで、その分子機構を明らかにするため、神経細胞のpre-mRNAスプライシングを調節すると報告されているSam68とhnRNPA1のarcadlin pre-mRNAスプライシングに及ぼす影響を調べた。内在性にarcadlin-Lを発現するMCF10A細胞に上記のRNA結合蛋白質を過剰発現させ、arcadlin蛋白質が増加するかどうかをイムノブロッティングにより調べたが、明らかな差は認められなかった。また、スプライシングされるイントロンを含んだarcadlinのmini-geneを細胞に発現させ、arcadlin蛋白質の増加を調べたが、蛋白レベルでの増加は確認出来なかった。スプライシング効率や他の因子の必要性も考えられるので、今後はarcadlin特異抗体を作成し、神経細胞におけるスプライシングの有無を検討する予定である。
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