研究課題/領域番号 |
20300135
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
山形 要人 (財)東京都医学研究機構, 総合研究所, 副参事研究員 (20263262)
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研究分担者 |
杉浦 弘子 (財)東京都医学研究機構, 総合研究所, 研究員 (40162870)
田中 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70273638)
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キーワード | arcadlin / TAO2キナーゼ / p38 MAPキナーゼ / 樹状突起スパイン / 自閉症 / てんかん |
研究概要 |
神経活動によって発現制御されるarcadlinは、細胞内でTAO2キナーゼと結合している。Arcadlinの同種結合によってTAO2-Mek3-p38 MAPキナーゼが活性化され、arcadlin-N-cadherin複合体が内在化する結果、樹状突起スパインが退縮する。また、TAO2キナーゼ遺伝子を含む染色体領域のコピー数異常が自閉症と関連することも報告されている。そこで 1)TAO2遺伝子のノックイン(KI)かつfloxedマウスの作成を継続して行った。キメラマウスを作成後、交配によってF1ヘテロマウスを作成した。そして、flippase過剰発現マウスと交配することにより、ネオマイシン耐性遺伝子を除去した。現在、そのマウスを交配することによって、ホモマウスを作成中である。また、TAO2ノックインマウスを使って、予備的な社会行動実験を行ったところ、nest building testおよびresident-intruder testにて社会行動の低下を示唆する所見が得られた。次年度以降、マウスを増やし、追試を行う。 2)Arcadlinのスパイン形成における役割を検討するため、ラット海馬神経細胞刺激によるスパインの形態変化を蛍光顕微鏡タイムラプス撮影で観察した。シナプスの可塑性を引き起こす化学的刺激(chemical LTP)法により、刺激後90分で見られるスパインの拡大を数値化できるようになった。今後は、この方法をマウスの細胞に適用し、arcadlinノックアウトによる影響を評価する予定である。
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