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2011 年度 実績報告書

神経活動依存的に発現するプロトカドヘリンのスパイン形成における役割

研究課題

研究課題/領域番号 20300135
研究機関財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

山形 要人  財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (20263262)

研究分担者 杉浦 弘子  財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 基盤技術研究職員 (40162870)
田中 秀和  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70273638)
キーワードプロトカドヘリン / 自閉症 / スパイン
研究概要

本年度は、arcadlin-TAO2-p38 MAPKシステムの制御系、生理機能、病態との関連を解析した。
1)TAO2遺伝子のノックインマウス(制御ドメインにアミノ酸変異を挿入)を作成した。この変異のスパイン形態に対する影響を調べるため、ノックインマウスの脳切片にDiIを遺伝子銃で撃ち込み、海馬の神経細胞を可視化した。神経細胞の形態を野生型と比較したところ、ノックインマウスの樹状突起スパインは野生型に比べて成熟が遅れているという予備的な結果が得られた。
2)培養ニューロンに化学的な長期増強を起こさせる実験系を確立した。Arcadlinノックアウトと野生型ニューロンに長期増強を起こさせ、四時間後に樹状突起スパイン形態を比較した。野生型ではスパイン幅は長期増強前後でほとんど変わらなかったが、arcadlinノックアウトではスパイン幅が拡大していた。すなわち、arcadlinは生理的な長期増強においても誘導され、スパイン容積を元に戻すように働くと考えられた。
3)Arcadlinには細胞内領域が長いスプライスバリアント(arcadlin-L)が存在する。Arcadlin-Lと短いバリアントarcadlin-Sを区別するため、arcadlin-Sが出来ない変異をarcadlinのmini-geneに挿入し、HEK293細胞に発現させたところ、arcadlin-Lだけが翻訳された。この実験系を用いて、スプライシング因子srsfの効果を調べた結果、arcadlin-Lを増加させるスプライシング因子を同定できたが、arcadlin-Sを増やす因子は見出せなかった。脳内ではarcadlin-Sが優位であることから、これらの因子が欠如あるいは抑制されている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] p38 MAP kinase inhibitors as potential therapeutic drugs for neural diseases2011

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H, Tanaka H, Takigami S, Yamagata K
    • 雑誌名

      Cent Nerv Syst Agents Med Chem

      巻: 11(1) ページ: 45-59

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Endothelial microsomal prostaglandin E synthase-1 facilitates neurotoxicity by elevating astrocytic Ca2+ levels2011

    • 著者名/発表者名
      Takemiya T, Matsumura K, Sugiura H, Yasuda S, Uematsu S, Akira S, Yamagata K
    • 雑誌名

      Neurochem Int

      巻: 58 ページ: 489-496

    • DOI

      doi:S0197-0186(11)00005-2[pii]10.1016/j.neuint.2011.01.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-clustered protocadherin2011

    • 著者名/発表者名
      Kim S.Y, Yasuda S, Tanaka H, Yamagata K, Kim H
    • 雑誌名

      Cell Adh Migr

      巻: 5 ページ: 97-105

    • DOI

      doi:14374[pii]

    • 査読あり
  • [学会発表] TSC変異モデルにみられる興奮性シナプス形成異常のメカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      安田新、杉浦弘子、樋野興夫、山形要人
    • 学会等名
      第54回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      山代
    • 年月日
      2011-09-26
  • [学会発表] カイニン酸刺激による樹状突起スパイン退縮の分子メカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      安田新、杉浦弘子、竹宮孝子、田中秀和、山形要人
    • 学会等名
      第34回日本神経科学学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 血管内皮細胞mPGES-1はアストロサイトのCa2+レベルの上昇を介して神経毒性を促進する2011

    • 著者名/発表者名
      竹宮孝子、松村潔、山形要人
    • 学会等名
      第34回日本神経科学学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] 自閉症モデル動物における樹状突起スパイン形成異常のメカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      安田新、杉浦弘子、樋野興夫、山形要人
    • 学会等名
      第33回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-23
  • [図書] Mek3 (in Encyclopedia of Signaling Molecules)

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H, Yamagata K
    • 出版者
      Springer Verlag(in press)

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公開日: 2013-06-26  

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