研究課題/領域番号 |
20300144
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
樋口 京一 信州大学, 医学系研究科, 教授 (20173156)
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研究分担者 |
森 政之 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (60273190)
澤下 仁子 信州大学, 医学系研究科, 助教 (40359732)
亀谷 富由樹 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (70186013)
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キーワード | アミロイドーシス / モデル動物 / アミロイド線維 / 伝播 / ノックアウトマウス / apoA-II / SAA / 熱ショック蛋白質 |
研究概要 |
アミロイドーシスとは生理的機能を発揮していた蛋白質が、微細なアミロイド線維に凝集し、生体に傷害を与える疾患群(蛋白質構造異常病)であるが、適切なモデル動物の開発が緊急の課題である。樋口らが独自に開発してきたAApoAIIアミロイドーシスのモデルシステムと新規に開発するアミロイドーシスのモデル動物を駆使して、アミロイドーシスに共通する発症機構と各種アミロイドーシスに特異的な病態の解明を体系的におこなう。平成21年度は 1)熱ショック蛋白質転写因子(Hsf1)のノックアウト(Hsf1^<-/->)やTgマウスを用いて、AApoAIIアミロイド線維の沈着が熱ショック蛋白質(Hsps)を誘導すること、Hsf1^<-/->マウスの心臓ではアミロイド沈着が増大し、Hsf1Tgでは減少することが明らかになった。またアミロイド沈着によって心室肥大、伝導障害などの心機能不全が引き起こされることを明らかにした。 2)Apoa2,及びApoa1ノックアウトマウス(Apoa2^<-/->及びApoa1^<-/->)を導入して、アミロイドーシス発症に及ぼす効果を解析した。Apoa2^<-/->マクスでは炎症惹起刺激に対する反応性が抑制され、AAアミロイドーシスの発症が抑制された。Apoa1^<-/->マウスではAApoAIIアミロイドーシスの発症が促進された。さらに他のアミロイド蛋白質(TTRやAβ2M)のTgマウスと交雑し、AApoAIIの影響を受けない、より効率的なモデルマウス作成を進めた。 3)AApoAIIの線維形成には前駆蛋白質のapoA-IIのN末端とC末端のドメインの相互作用が重要であることを、試験管内線維形成システムで明らかにした。またF型apoA-IIを持つマウスでは、アミロイドーシスが発症せず、N末端とC末端ドメインのF型アミノ酸配列が線維形成を抑制することを明らかにした。
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