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2009 年度 実績報告書

細胞内微小力学計測に基くマルチスケール心筋細胞シミュレーションモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20300152
研究機関東京大学

研究代表者

杉浦 清了  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10272551)

研究分担者 渡邉 浩志  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (10282500)
山下 尋史  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50323572)
キーワード心筋細胞 / 微小計測
研究概要

接着分子インテグリンに対する抗体を介して心筋細胞表面に固定した微小粒子を光ピンセットを用いて捕捉し操作することによってメカニカルストレスを膜タンパクに与えた。共焦点顕微鏡を用いて細胞内のカルシウム応答(カルシウムスパークの発生)を観察したところ細胞長軸方向、短軸応答の刺激に対しほぼ同等の発生頻度が記録された。先行研究では細胞長軸方向に配向する微小管を介してメカニカルストレスが伝達され筋小胞体からのカルシウムスパークが誘発されることが示唆されており短軸方向の刺激にも反応するという結果は予想に反するものであった。そこでメカニカルストレスが細胞内に伝達する様式を明らかにする目的で核を蛍光染色し(SYTO)長軸、短軸方向への引っ張りに対する位置変化を記録したところ核は引っ張りを加えた方向に関わらず常に長軸方向に移動することが分かった。さらに薬剤の処理により微小管、アクチンを脱重合した条件で同様の実験を行ったところ核の移動は減衰ないし消失した。これらの結果より接着分子に加えられたメカニカルストレスは細胞骨格を介して細胞内小器官に伝達されるが心筋細胞においては細胞骨格の構造が力を長軸方向に変えるように働いているという興味深い事実が
示唆された。マイクロインジェクションを活用して微細構造の詳細な観察を進める予定であったが現在のところ十分な成功率が得られておらず次年度も継続して進めることとなった。
モデル化についてはT-管を中心にしたカルシウム信号が代謝のシグナルとして有効に働くか否かについてミトコンドリアまでを含めたモデルを製作中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structural heterogeneity in the ventricular wall plays a significant role in the initiation of stretch-induced arrhythmias in perfused rabbit right ventricular tissues and whole heart preparations2010

    • 著者名/発表者名
      Kinya Seo
    • 雑誌名

      Circ Res 106

      ページ: 176-184

    • 査読あり
  • [学会発表] Induction of Ca^<2+> spark by mechanical stress is dependent on the direction of applied stresss in the rat ventricular myocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Hana Fukano
    • 学会等名
      第26回ISHR日本部会総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] Micromechanical measurement by laser optical tweezer revealed anisotropy in the stiffness of rat ventricular myocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Shunnsuke Masumoto
    • 学会等名
      第26回ISHR日本部会総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] Multi-scale approach for the understanding of cardiac function Arrhythmia and muscle contraction2009

    • 著者名/発表者名
      Seiryo Sugiura(invited)
    • 学会等名
      The 36th Congress of the International Union of Physiological Sciences
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-07-30
  • [学会発表] Inhomogeneous structure of the ventricular wall is a substrate for fatal arrhythmias by modulating the global stretch to create heterogeneous cellular response2009

    • 著者名/発表者名
      瀬尾欣也
    • 学会等名
      第32回心筋代謝研究会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-07-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.sml.k.u-tokyo.ac.jp/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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