研究概要 |
(1)末梢神経再建 より長い末梢神経欠損に対してもデバイスを適用可能にするために,再生組織に対して血管侵入が可能な構造として,エキシマレーザーによる孔あけ加工を施した蛇腹型生体吸収性神経再建チューブを開発した.そして作製されたチューブについて,圧縮試験,屈曲試験を実施し,その力学特性を確認した.さらにラット坐骨神経の神経再生実験を行い,基本デザインの有効性を確認した. (2)靭帯再建 不織布を用いた靭帯再建用デバイスの骨との固定性を改善するために,キチンによる骨形成促進の最適化を行うための実験系を開発した.不織布をラット大腿骨および頭蓋骨に設けた骨欠損部内に移植し,骨形成を評価する実験系においてキチンの用量などを変化させて実験を行い,最適なキチンの適用法を検討した. (3)歯周組織再建 ラット頭部に皮膚を貫通するようにインプラント試験片を設置する実験系を開発した.試験片にコラーゲン線維がアンカリングするための3次元構造を設け,上皮を貫通する場合でも皮下線維組織と試験片を接合できることが確認された.採取試料の接合強度測定と組織学的観察により,基本設計の有効性を評価した. (4)小口径血管再建 ラット頸動脈の実験系を用いて脱細胞グラフトによる小口径血管の再建実験を進めた.グラフトに対する内皮細胞と平滑筋細胞の浸潤状況の時間的な経過を確認するために,移植後に経時的に試料を採取して免疫染色を行ない,細胞浸潤速度の定量的な評価を行った.
|