研究概要 |
1. 画像取得方法とデータベース (1)呼吸モニタリングシステムをより実用的なものとするために,フォトダイオードを用いた小型位置計測システムに関する基礎的検討を行ない,光強度と位置情報の相関を確認した. (2)電磁波シールドメッシュを用いたFOVの絞り込みとそれによる撮像高速化について検討し,有効性を確認した.アーティファクトを発生させずにFOVを絞り込むことに成功し,結果として高速撮像が可能であった. (3)準備研究にて撮像してきた,大量の4次元データの整備を進めた.この結果,約100データセットの4次元画像についてその諸元を整理し,画像処理研究で利用する際の利便性が向上した. 2. 時空間画像処理手法について (1)5次元濃度超曲面解析によるタグ抽出法について,前処理として用いる平滑化パラメータの違いによるタグ抽出能の違いを調査し,最適なパラメータを定めた.これにより,タグ抽出精度の向上が期待できた.また,4次元空間内でのタグの連続性の解析に着手し,領域抽出だけでなく,タグ追跡も可能であることを示唆する結果を得た. (2)拍動する心臓を表わすドーナツ状の簡便な時空間モデルを作成し,診断支援への有効性を確認した.今後,領域抽出などの画像処理に,下記のモデルを用いない方法に加えてこの簡便なモデルを利用する方法も検討してゆく予定である. (3)Watershed Lake Treeに基づく領域抽出とインタラクティブな処理による領域抽出システムを作成し,4次元MRIデータから左心室,左心房,および大動脈の領域の抽出を行なった.時系列的にこれら領域が得られ,体積変化などの有用な情報を抽出することができた.
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