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2008 年度 実績報告書

ヒト心筋細胞の興奮収縮連関制御における機械的負荷の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20300159
研究機関岡山大学

研究代表者

入部 玄太郎  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90284885)

キーワード機械刺激 / 興奮収縮連関 / カルシウムハンドリング / 機械電気帰還現象 / SAKCAチャネル / カルシウムスパーク / 国際研究者交流 / イギリス
研究概要

平成20年度は先天性心疾患のファロー四徴症手術における右室流出路狭窄解除に伴う切除心筋組織から単離したヒト心筋細胞を用いた実験を行う予定であったが、手術件数が思ったほど伸びなかったため、予定していたバックアッププランに従い、ヒトと共通したアミノ酸配列を持つ伸展感受性BK(SAKCA)チャネルが発現されることがわかっているトリ単離心筋細胞を用い、伸展刺激とカルシウムハンドリングおよびSAKCAチャネル活性との関連に関する検討を行った。その結果、過去の単一チャネルレベルの実験結果と異なり、生体内心ではSAKCAチャネルは直接伸展刺激により活性化されるのではなく、伸展刺激により増加した細胞内カルシウムにより二次的に活性化されることが強く示唆された。SAKCAチャネルを介した機械電気帰還現象はこれまで報告されておらず、トリとヒトとのSAKCAチャネルの共通性からもヒト興奮収縮連関の制御における機械的負荷の役割として重要な知見であるものと思われる。また、伸展刺激がカルシウムハンドリングに及ぼす影響としては、オックスフォード大学のグループとの共同研究により、ラット単離心筋細胞において伸展刺激によりカルシウムスパーク(筋小胞体のカルシウム放出チャネルであるリアノジン受容体からの自発的なカルシウム放出現象)が直ちに増加することを明らかにした。この現象は細胞骨格の破壊によってのみ抑制されることから、化学的反応を介さないリアノジン受容体に対する物理的な作用そのものである可能性もある。これも全く新しい世界で初めての報告であり、フランク・スターリングの心臓法則に関わる新たな発見として注目されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Axial stretch of rat single ventricular cardiomyocytes causes an acute andtransient increase in Ca^<2+> spark rate2009

    • 著者名/発表者名
      Iribe, G
    • 雑誌名

      Circulation Research 104

      ページ: 787-795

    • 査読あり
  • [学会発表] New Insight into Acute Stretch Effects on Cardiac Calcium Handling2008

    • 著者名/発表者名
      Iribe, G
    • 学会等名
      European Society of Cardiology Congress 2008
    • 発表場所
      ミュンヘン(ドイツ)
    • 年月日
      2008-09-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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